相続は「富裕層だけの問題」という大きな誤解
- 戸田 悠介

- 7 日前
- 読了時間: 2分

「相続税なんて、うちは払うほど財産がないから大丈夫」 FP相談の現場で、意外に多く耳にする言葉の一つです。
しかし、相続の本質的な難しさは「税金」だけではありません。実は、家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割調停のうち、約8割が「相続税がかからない相続(遺産5,000万円以下)」であることをご存知でしょうか。
なぜ、高所得者ではない家庭ほど、相続が「争族」に発展しやすいのか。その理由は、資産の「分けにくさ」にあります。
■ 「自宅」という大きな落とし穴
一般的な家庭において、財産の大部分を占めるのは「自宅(不動産)」です。
例えば、親が亡くなり、遺産が「2,000万円の家」と「500万円の預金」だったとしましょう。子供が2人いる場合、公平に分けるには以下のいずれかを選択せざるを得ません。
家を売却して現金化する
家を継ぐ一方が、もう一方へ多額の現金を支払う(代償分割)
富裕層であれば、他に潤沢な金融資産があるため調整が効きます。しかし一般家庭では「分けるための現金」が足りず、結果として家を巡って泥沼の争いになるケースが後を絶たないのです。
■ 家族の絆を守るための「準備」
昨今の「おひとりさま」世帯の増加や、認知症による資産凍結のリスクも、所得に関わらず誰にでも起こり得る問題です。
意思疎通ができるうちに、「誰に何を託したいか」を明確にしておくことは、決して贅沢な悩みではありません。残される家族への最後の「思いやり」と言えます。
相続は、お金の多さを競うイベントではなく、「大切な家族がこれまで通りの関係を維持するための手続き」です。
「うちは普通だから」と目を背けず、まずは家族で資産の棚卸しをすることから始めてみませんか?




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