教育資金のために「学資保険」は本当に必要か?
- 根本 寛朗

- 1月18日
- 読了時間: 3分
子どもの将来の教育資金を準備する方法として、学資保険を検討される方は多いのではないでしょうか。一方で、近年はネット銀行の定期預金、終身保険や変額保険といった他の生命保険商品、さらにはNISAを活用した投資信託など、学資保険以外の選択肢も増えています。
「教育資金=学資保険」という考え方は、今も本当に合理的なのでしょうか。
教育資金はどのくらいかかるのか?

では、実際に子どもの教育にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
上の表は、文部科学省等の公的データをもとに、幼稚園から大学までの教育費をまとめたものです。
例えば、
幼稚園:私立
小学校~高校:公立
大学:私立文系(自宅)
という進路を選んだ場合、幼稚園から高校までで 約647万円、大学で 約700万円、合計でおよそ1,350万円前後の教育費がかかります。
進学先によって金額は大きく変わりますが、一般的には大学にかかる費用が最も大きな負担となるため、教育資金準備は大学費用を中心に考えることが基本となります。
学資保険で教育資金を準備する目的
多くの方が、次のような目的で学資保険を検討します。
将来の教育資金を計画的に準備したい
親に万一のことがあっても教育資金を確保したい
強制的に積み立てる仕組みがほしい
元本割れせず、少しでも増やしたい
これらのニーズに対し、学資保険は一定の役割を果たします。
親の万一の際の保障について
学資保険の特徴の一つに、契約者(親)が亡くなった場合に保険料の払込みが免除される仕組みがあります。
ただし注意すべき点は、教育資金が確保できても、その後の生活費が不足してしまえば、教育資金を生活費に充てざるを得なくなる可能性があることです。
そのため、学資保険を検討する前に、
万一の際の生活費
教育資金以外の将来資金
も含めたライフプランシミュレーションを行うことが重要です。すでに他の生命保険などで十分な保障が確保できていれば、学資保険にこだわらず、別の金融商品で教育資金を準備することも可能です。
固定金利であることのリスク
学資保険は、基本的に固定金利の商品です。加入時の利率が、満期まで続きます。
現在の低金利環境では、銀行預金よりは有利に見える場合もありますが、将来金利が上昇した場合、他の金融商品で運用していた方が有利になる可能性もあります。
また、無視できないのがインフレ(物価上昇)リスクです。
文部科学省の最新データによると、国立大学の年間授業料の標準額は、20年前の2005年度にも現在と同じ約535,800円です。標準額自体はこの20年間ほとんど変わっていませんが、最近一部の国立大学では標準額の上限(標準額+約20%)まで授業料を引き上げる動きも出ています。
一方、私立大学の平均的な授業料を見ると、
2005年度にはおよそ 約811,000円程度であったものが、
最新の数値では 約959,205円程度に上昇しています。
このように、国立大学はここ20年間で授業料標準額がほぼ据え置かれているのに対し、私立大学は上昇傾向にあります。教育費は依然として大きな負担であり、この点を踏まえると、固定金利の商品で長期間積み立てることが本当に適しているかは、慎重に検討する必要があります。
学資保険以外でも教育資金は準備できる
教育資金は、学資保険でなければ準備できないものではありません。
まずは、
万一の際の生活保障
老後資金
住宅資金
も含めたライフプランを整理したうえで、教育資金の準備方法を考えることが大切です。
ネット銀行の定期預金、終身保険や変額保険、NISAなど、選択肢は多様化しています。
「どの方法が自分の家庭に合っているのか」を考えながら、無理のない形で教育資金を準備していきましょう。




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