「良かれと思って」が裏目に?FPが教える、意外と知らない贈与の落とし穴
- 戸田 悠介

- 5月17日
- 読了時間: 3分

「年間110万円までなら税金がかからずに財産を渡せる」
終活や生前贈与に関心のある方なら、一度はこの「暦年贈与」のルールを耳にしたことがあるのではないでしょうか。基礎控除の枠内でお金をコツコツ移していくのは、王道かつ有効な相続税対策です。
しかし、FPとして多くのご相談をお受けする中で、「良かれと思ってやった手続きが、実は税務署に贈与と認められない(あるいは思わぬ税金がかかる)」というケースを本当にたくさん目にします。
今回は、一般にはあまり知られていない、生前贈与のリアルな盲点を3つお伝えします。
1. 「名義預金」の罠:通帳を渡さないと贈与にならない?
一番多い失敗が、親が子供や孫の名義で口座を作り、こっそりお金を貯めているケースです。「成人祝いや結婚祝いにサプライズで渡そう」という親心は素敵ですが、これは税法上、贈与とはみなされない可能性が極めて高いのです。
贈与は、あげる側の「あげます」と、もらう側の「もらいます」というお互いの合意があって初めて成立します。 子供が口座の存在を知らない、通帳や印鑑、キャッシュカードを親が管理しているといった状態のものは、名義が子供であっても「親の財産(名義預金)」と判断され、将来そのまま相続税の対象になってしまいます。
2. 「生活費や教育費の仕送り」も、残ったら課税対象?
仕送りにも注意が必要です。原則として、夫婦や親子などの扶養義務者の間で、通常必要と認められる「生活費」や「教育費」を渡す場合、そこには税金はかかりません。
ポイントは「必要な都度、直接支払う」という点です。 例えば、大学の4年分の授業料や、一人暮らしの数年分の家賃として、まとまった大金を一気に子供の口座に振り込むと、それは「通常必要な都度」とは見なされず、贈与税の対象になることがあります。また、生活費として渡したお金を子供が使わずに貯金や株の投資に回していた場合も、それは「生活費ではない」と判断されるリスクがあります。
3. 「良かれとした肩代わり」が贈与になる
お金を直接手渡していなくても、贈与が成立してしまうケースがあります。それが「経済的利益の供与」です。
よくあるのが、子供の住宅ローンの返済を親が代わりに数年分払ってあげたり、子供名義の車の購入資金を親が全額出してあげたりするケース。これらはすべて「親から子供へ、その金額分の現金を贈与した」のと同じ扱いになります。「身内同士の助け合いだから」という感覚でいると、後から税務署からお尋ねが届いて慌てることになりかねません。
いかがでしたでしょうか。
思わぬところに落とし穴はあるものです。ですが、知っているか知っていないかで、
贈与に対する考え方は大きく変わってきます。
思わぬトラブルを回避するためにも、まずはどんなことをすると贈与扱いになるのかを、
知ることから始めていきましょう。



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