リバランスはいつする?年1回・乖離率・キャッシュフロー方式を比較
- 根本 寛朗

- 10 時間前
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資産運用では、どの商品を買うか以上に、株式・債券・現金などをどの割合で保有するか、つまりアセットアロケーションが重要だと私は考えています。
ただ、最初に「株式60%・債券40%」と決めても、その比率はずっと60対40のままではありません。
株式市場が上昇すれば、
株式60%
債券40%
だったものが、
株式67%
債券33%
になることもあります。
この状態をそのままにしておけば、いつの間にか当初想定していた以上のリスクを取っていることになります。
そこで行うのがリバランスです。
問題は、
「いつリバランスするのか」
です。
毎月なのか。
年1回なのか。
一定以上乖離したらなのか。
実は、ここにもいくつか考え方があります。
年1回など、決めた時期に行う「カレンダー方式」
最も分かりやすいのが、
「毎年1月に確認する」
「誕生月に確認する」
といったカレンダー方式です。
Vanguardも、少なくとも年1回程度ポートフォリオを確認し、目標配分から5%ポイント以上ずれている場合にはリバランスを検討する考え方を示しています。
この方法のメリットは、何より管理が簡単なことです。
毎日相場を見る必要がありません。
そして私は、これが意外と大切だと思っています。
リバランスのルールを細かくしすぎると、結局、
「株が上がってきたからそろそろ売ろう」
「まだ上がりそうだから今回はやめよう」
と、リバランスの中に相場観が入り始めます。
それでは、リバランスではなくマーケットタイミングになってしまいます。
一方で、カレンダー方式にも弱点があります。
例えば、年1回の確認を12月に設定していたとして、3月に株式が急騰し、株式比率が60%から75%になったとします。
それでも12月まで何もしないのであれば、かなり長い期間、想定以上のリスクを取ることになります。
そこで考えられるのが、乖離率を基準にする方法です。
「5%ポイント乖離」で考える
例えば目標配分が、
株式60%
債券40%
だとします。
株式が65%を超える、あるいは55%を下回ったらリバランスする。
これは‟±5%ポイント”の許容レンジを設ける方法です。
ここで「5%」と「5%ポイント」は違うので注意が必要です。
60%から65%になった場合、
絶対的な乖離は、
65%-60%=5%ポイント
です。
一方、目標60%に対する相対的な乖離率は、
5÷60=約8.3%
です。
大きな配分を管理するときには、5%ポイントのような絶対乖離は非常に分かりやすい方法です。
しかし、これを小さなアセットクラスにもそのまま使うと問題が出ます。
例えば新興国株式を10%だけ持つポートフォリオを考えてみましょう。
±5%ポイントを許容すると、
5%~15%
まで放置できることになります。
目標10%に対して15%は、実に50%もオーバーウェイトしています。
そこで、小さい配分については相対乖離率を使った方が管理しやすくなります。
「20%相対乖離」という考え方
例えば目標10%の資産について、
‟目標配分から20%乖離したらリバランスする”
と決めます。
10%×20%=2%ポイントですから、
8%~12%
が許容レンジになります。
目標5%なら、
5%×20%=1%ポイントなので、
4%~6%
です。
このように、
大きなアセットクラスは絶対乖離、小さなアセットクラスは相対乖離
で管理すると、配分規模に応じたリスク管理ができます。
なお、これに近い考え方として、5%ポイントまたは目標比率の25%の乖離を基準にする、いわゆる「5/25ルール」も知られています。20%相対乖離を使うなら、それよりやや厳しめのバンド設定と考えると分かりやすいでしょう。
ただ私は、
「20%が正解」
「25%が正解」
という話ではないと思っています。
問題は数字そのものではなく、
どの程度のアセットアロケーションの変化まで許容するか
です。
積立中なら「売らないリバランス」もできる
もう一つ、特に資産形成期に使いやすいのがキャッシュフロー・リバランスです。
例えば、
株式60%
債券40%
だったものが、
株式65%
債券35%
になったとします。
通常のリバランスなら、
株式を売る → 債券を買う
となります。
しかし毎月10万円積み立てているのであれば、その10万円をしばらく債券側へ多く配分することで、徐々に60対40へ戻すこともできます。
Vanguardも、新規拠出金をアンダーウェイトしている資産へ振り向けることで、売却せずにリバランスする方法を紹介しています。
この方法には、
売却益への課税を避けやすい
売買回数を減らせる
心理的に実行しやすい
というメリットがあります。
特に課税口座では有効です。
一方、資産残高が大きくなってくると、新規積立額だけでは調整できなくなります。
1億円のポートフォリオが5%ポイントずれれば500万円です。
毎月10万円の積立だけで戻すのには時間がかかります。
したがって、資産形成初期にはキャッシュフロー方式が使いやすく、資産規模が大きくなるほど売買によるリバランスも必要になってきます。
リバランスは「逆張り投資」ではない
リバランスをすると、
上がった資産を売って、
下がった資産を買う
ことになります。
そのため、
「高く売って安く買えるからリターンが上がる」
と思われることがあります。
確かに結果としてそのようになるケースもあります。
しかし、本来の目的はそこではありません。
リスクを最初に決めた水準へ戻すことです。
株式60%が70%になったから60%に戻す。
これは、
「株が高いからこれから下がる」
と予想しているわけではありません。
株式70%というリスクを取るつもりがなかったから戻しているだけです。
ここを混同しない方がいいと思っています。
私であれば、個人の資産運用では、
定期的に確認する + 一定以上乖離したときだけ動く + 可能なら新規資金で調整する
というハイブリッド型を基本に考えます。
つまり、
「年1回だから必ず売買する」
のではありません。
年1回は確認するタイミング。
実際に売買するかは乖離率で判断する。
私はこの方が合理的だと思っています。




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