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今さら聞けない「生前贈与」の基礎知識!かしこく資産を引き継ぐポイント

  • 執筆者の写真: 戸田 悠介
    戸田 悠介
  • 2 日前
  • 読了時間: 5分
今さら聞けない「生前贈与」の基礎知識!かしこく資産を引き継ぐポイント

「将来のために子どもや孫へお金を残したい」「相続に備えて、今からできることはないか」と考えたことはありませんか?

そんなときの選択肢の一つとなるのが「生前贈与」です。

生前贈与は相続対策として取り上げられることが多い制度ですが、必ずしも「贈与すれば相続税が安くなる」という単純なものではありません。

大切なのは、仕組みを理解したうえで、自分や家族の資産状況に合わせて活用することです。

今回はFPの視点から、生前贈与の基本的な仕組みと注意点をわかりやすく解説します。

そもそも「生前贈与」とは?

生前贈与とは、生きているうちに自分の財産を家族などに無償で譲ることです。

亡くなった後に財産を引き継ぐ「相続」と異なり、生前に「誰に・いつ・何を・どれくらい渡すか」を自分自身で考えて資産を移転できる点が特徴です。

相続税対策だけでなく、子どもの住宅購入や孫の教育など、「お金が必要なタイミングで資産を渡せる」という意味でも活用できます。

基本のルール:「暦年課税」の110万円枠

生前贈与を考えるうえで、まず知っておきたいのが「暦年課税(れきねんかぜい)」という仕組みです。

暦年課税では、1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与について、受贈者1人あたり年間110万円の基礎控除があります。

1年間に受けた贈与財産の合計額が110万円以下であれば、原則として贈与税はかからず、贈与税の申告も必要ありません。

ここで注意したいのは、110万円の枠は「あげる側」ではなく「もらう側(受贈者)」を基準に考えるということです。

例えば、子ども1人が同じ年に父親から100万円、母親から100万円の贈与を受けた場合、受け取った金額は合計200万円となります。

この場合、基礎控除110万円を差し引いた90万円が基礎控除後の課税価格となり、その金額をもとに贈与税を計算します。

子どもや孫が複数人いる場合など、暦年課税を活用しながら長期的に資産を移転していく方法もあります。

ただし、毎年110万円以下で贈与すれば必ず相続税対策になるわけではありません。相続財産の規模や贈与する相手、贈与する期間などを含めて考える必要があります。

知っておきたい2つの注意点

生前贈与は、やり方によっては「贈与したつもりだったのに、贈与として認められなかった」「相続時に相続税の計算へ加算された」といったことも考えられます。

特に次の2点は確認しておきましょう。

1.「名義預金」と判断されないために

例えば、親が子ども名義の口座を作り、子どもには知らせずに毎年お金を入金していたとします。

口座の名義が子どもであっても、実質的に親が管理し、子ども自身が贈与を受けたことを認識していない場合などには、贈与が成立しておらず、親の財産と判断される可能性があります。

生前贈与では、「あげる人」と「もらう人」の双方に贈与の意思があることが重要です。

贈与契約書を作成して贈与の事実を記録しておくことも方法の一つですが、契約書を作成するだけで十分というわけではありません。

実際の資金移動や財産の管理状況なども含め、贈与の実態を残しておくことが大切です。

2.相続開始前の贈与が相続税の計算に加算されることがある

もう一つ知っておきたいのが、相続開始前に行われた暦年課税による贈与の一部が、相続税の課税価格に加算される制度です。

2024年1月1日以後の贈与について制度が改正され、従来3年間だった加算対象期間が段階的に延長され、最終的には相続開始前7年間となります。

ただし、2026年現在、すべての相続について一律に「過去7年分が加算される」わけではありません。経過措置があり、相続が開始する時期によって対象期間が異なります。

また、延長された相続開始前3年超7年以内の部分については、対象となる贈与財産の合計額から100万円を控除する仕組みもあります。

さらに、この加算制度はすべての生前贈与が一律に対象になるわけではなく、原則として相続や遺贈によって財産を取得した人が、被相続人から受けた暦年課税による贈与などが対象です。

そのため、「年間110万円以内なら相続税にも関係ない」と考えるのではなく、将来の相続まで含めて確認しておく必要があります。

「相続時精算課税」という選択肢もある

生前贈与には、暦年課税のほかに「相続時精算課税」という制度もあります。

2024年からは相続時精算課税にも年間110万円の基礎控除が設けられ、従来より活用方法を検討しやすくなりました。

一定の要件を満たせば2,500万円の特別控除もありますが、一度選択すると、その贈与者からの贈与について暦年課税へ戻すことができないなど、注意すべき点もあります。

「暦年課税と相続時精算課税のどちらが有利か」は、資産額や年齢、贈与する財産、将来の相続などによって変わります。

制度の一部分だけで判断せず、相続まで含めて比較することが重要です。

早めの準備が家族の安心につながる

生前贈与は、単なる税金対策ではありません。

子どもや孫の進学、結婚、住宅購入など、資金が必要なタイミングで財産を渡せることも、生前贈与を考える大きな意味の一つです。

一方で、自分自身の老後資金や介護費用まで贈与してしまっては本末転倒です。

「いくら贈与できるか」ではなく、まず自分自身がこれから必要とするお金を確認し、そのうえで次の世代へどの程度の資産を移転できるのかを考える。

私は、生前贈与を考える際には、この順番が大切だと考えています。

税金だけを見るのではなく、自分の老後と家族への資産承継を一つのライフプランとして考えていきましょう。

具体的な税額や税務判断については、税理士などの専門家へ相談しながら進めることをおすすめします。

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